巷ではコロナウィルス感染症が心配されていますが、
感染拡大はもはや避けられず、そのスピードをいかに抑えるかが重要な時期です。
なぜスピードを抑える必要があるのか、それは各地域の医療機関がパンク状態に陥るからです。
先日東京都の有識者会議で国立国際医療センターの先生が、もう1段回上の流行が起きたら、
医療機関のマンパワーが足りなくなる可能性があると指摘していました。
日本の医療現場は医療水準は世界トップレベルだと思われますが、日本の医療現場は開業医主体であり、
地域の要の大型医療機関は人員不足や赤字経営で閉鎖も危ぶまれている状況です。
その状況下において、今回のような状況は本当に国民全体が自分事に思って対応する必要があると思います。
その対応の最たるものが“予防”です。
若年者は重症化しにくい、というのが一般的な見解ですが、
若年者は行動範囲が広く、特に小児は感染拡大の原因になる可能性が高いと指摘されています。
巷ではお湯を飲めばウイルスが死滅するとか立証したわけでもない予防策が多く出回っていますが、
文献ベースで考えると、害がなければやって無駄ではないとは思いますが信じすぎるのも問題です。
私が調べた中でウィルス感染予防に効果があるものを3つ挙げるとすると、
①手洗い
②歯みがき
③マスクの中でも必ず口を閉じる
です。以下で簡単にご説明します。
①の手洗いに関してはいうまでもありません。医療現場でも標準予防策のメインです。
“一処置一手洗い”を心がけるようにしましょう。
②に関しては、うがいと書きがちですが、文献では歯みがきの方がより効果的とされています。インフルエンザ予防においての予防策を調査した文献で、歯みがきが効果があったといわれています。また、誤嚥性肺炎の予防としても口腔内を清潔に保つことが重要とする文献が数多く出ています。うがいはやらないに越したことはないですが、効果的にお口の清潔状態を改善することが難しく、時間が取れるのであれば歯みがきをしたほうがいい、ということです(歯みがきも一処置です。唾液が飛散しますので手洗いも忘れずに)
③に関してはテレビを観ていても意外と報道されません。マスクについてはコロナウィルスはエアゾル感染するといわれるものの空気感染するレベルではなく、飛散する場合は水分が付着して5μmほどの粒子になるらしく、N95でなければ防げないわけではないそうです。ただ、布マスクは他の種類のマスクに比べ感染防御が弱く注意が必要という文献情報があります。できれば使い捨てマスクで取り外しはゴム紐を持ち、取り外しを最小限にする、繰り返しの利用は避けるとされます。でも、巷では十分な精度の高いマスクが少なく、完全な流入防止は難しいと思われます。なので、個人的にはマスクの効果はフィルターによるウイルス侵入防止よりも手指が鼻や口に触ってウィルスが体内に入ることを防ぐ物理的な防御策として考えたほうがいいかと思います。重要なのは、マスクの下で口を開けたままにしていないことです。マスクの中は閉鎖的で息苦しく感じると思いますが、そこで口を開けて呼吸をしてしまうと、ウイルスが体内に侵入する可能性が高いと思います。なぜなら口にはフィルター効果がないからです。鼻には、鼻水や鼻毛といったフィルター効果のある構造が存在し、体内へ菌やウィルスを侵入させることを防ぐ役割があります。同じ呼吸に見えて、体内に入る空気は全く質の違うものになるのです。なので、お子さんにマスクをつけて登校、登園させていると思いますが、必ず“マスクの中では口を閉じていなさいよ”と声かけをすることが重要です。それでもなかなか閉じてはくれませんが、行動変容には頻繁な声かけが重要です。あきらめずに、ただマスクを付けさせるのではなく、口を閉じることの大切さを教えてあげてください。人間誰でも自分にメリットのあることは行うはずです。口を閉じることが当たり前のお子さんが多くなることを願っています。ただ、中には鼻炎で鼻の穴が狭くなっていたり口蓋扁桃やアデノイドが大きく構造的に口呼吸せざるを得ないお子さんもいます。その場合は諦めるのではなく、小児科や耳鼻科、当院のような口呼吸について指導している歯科を受診することをお勧めします。当院では症状に合わせ、適切な医療機関を紹介することもしております。
みんなで予防を徹底すれば、国内の感染拡大防止に貢献できるはずです。
一緒にこの苦難を乗り越えましょう。
グリーンデンタル夫馬
夫馬吉啓
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