私たちの身体は年齢が上がるにつれて、様々な機能が低下していきます。それはお口も例外ではありません。そんなお口の機能が低下する病気を「口腔機能低下症」といいます。高齢の方に多く見られる病気・症状であり、全身の健康を害するリスクも高いことから、近年、注目されるようになりました。
おそらく、皆さんもメディアやインターネットなどで口腔機能低下症という言葉を見聞きしたことがあるかと思います。もしかしたら自分も口腔機能低下症になっているかも?と不安を感じている方もいらっしゃることでしょう。そこで今回は、口腔機能低下症とはどんな病気なのか、起こりやすい年齢や検査、治療方法などを江南市小郷町のグリーンデンタル夫馬が解説します。
目次
▼口腔機能低下症とは?
口腔機能低下症とは、噛む力や飲み込む力、発音の明瞭さなど、口の様々な機能が低下する状態を指します。特に高齢の方に多く見られますが、若年層でも口の健康状態によっては起こり得る問題です。この状態になると、食事がしにくくなったり、言葉が不明瞭になったりすることがあり、生活の質に大きな影響を与える可能性があります。
また、口腔機能低下症は全身の健康状態とも深く関わっており、放置すると栄養不足や全身の筋力低下を招くこともあるため、早めの対策が重要です。
▼口腔機能低下症が起こりやすい年齢
口腔機能低下症は、加齢が主な原因となっているため、年齢が上がるほど発症リスクも高まります。具体的な年齢としては、50代くらいがひとつの目安となります。70代や80代になると、ほとんどの方が口腔機能低下症の症状に悩まされます。
ひと言で口腔機能低下症といっても重症度はケースによって大きく異なるため、一概に語ることは難しいですが、30代や40代でもこの症状が現れることがありますので、年齢が若いからといって油断しないようにしましょう。
▼こんな症状はありませんか?(口腔機能低下症のセルフチェック)
口腔機能低下症の兆候を早期に発見するために、以下のセルフチェック項目を確認してみましょう。
☑噛む力が弱くなったと感じる
☑食べ物をうまく飲み込めないことがある
☑言葉が発音しにくく、相手に聞き返されることが多い
☑口の中が乾燥していることが多い
☑食事の際にむせることがある
☑唾液の量が少なくなったと感じる
☑硬いものが食べにくい
☑口の中が不潔になりやすい
これらの症状が複数当てはまる場合は、口腔機能低下症の可能性が考えられますので、早めに歯科医院で検査を受けることをお勧めします。
▼口腔機能低下症の原因
口腔機能低下症はさまざまな要因によって引き起こされます。以下の4つの主な原因を確認しましょう。
【原因1】加齢
加齢により、手足の筋力が低下するのと同様に、口の周りの筋肉や唾液腺の機能も低下します。その結果、噛む力や飲み込む力が弱まり、口腔機能全体が低下することが多くなります。
【原因2】むし歯・歯周病
むし歯や歯周病が進行すると、歯や歯茎の健康が損なわれます。歯が抜けることで噛む力が弱くなり、さらに歯周病が進行することで歯茎の炎症や痛みが生じ、口腔機能の低下を招くことがあります。
【原因3】適合の悪い入れ歯
入れ歯が適切な状態でないと、噛む力が十分に発揮できないだけでなく、痛みや不快感が生じることもあります。このような状況が続くと、食事を避けるようになり、結果として口腔機能が低下する可能性があります。
【原因4】全身の病気
糖尿病や神経疾患などの全身の病気は、口腔の健康にも影響を与えることがあります。これらの病気は、唾液の分泌量の減少や口腔内の感染リスクを高め、口腔機能の低下を引き起こす要因となります。
▼口腔機能低下症の検査方法(保険診療)
口腔機能低下症が疑われる場合は、以下の方法で検査します。口腔機能低下症の検査費用は、基本的に保険が適用されます。
・口腔衛生状態の確認
・口腔乾燥の検査
・咬合力の検査
・舌口唇運動機能の検査
・舌圧検査
・咀嚼機能検査
・嚥下機能検査
◎口腔機能低下症の治療方法は?
口腔機能低下症によって衰えた筋力は、「舌圧トレーニング」や「あいうべ体操」などで回復させます。歯の喪失による噛み合わせの問題で口腔機能低下症を発症している場合は、ブリッジ・入れ歯・インプラントといった補綴治療で改善をはかります。全身の病気に関しては、医科での治療が必須となります。
▼まとめ
今回は、口腔機能低下症が起こりやすい年齢や検査方法、治療方法などについて、江南市小郷町のグリーンデンタル夫馬が解説しました。噛む、飲み込む、しゃべる、呼吸する機能が低下する口腔機能低下症は、50代や60代など、年齢が高くなるほど発症リスクも高まりますので、中高年の方は十分に気を付けてください。
口腔機能低下症の検査費用には保険が適用されますので、経済的負担も比較的軽いです。本文でもご紹介したセルフチェックでいくつか当てはまる項目があった場合は、できるだけ早期に歯科を受診しましょう。