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【口腔機能低下症】高齢者の口腔トレーニングについて


高齢の方は、全身の機能が徐々に低下していきますが、それはお口も例外ではありません。最近、食べものを噛みにくくなった、滑舌が悪くなってしゃべるのが恥ずかしいなど、お口にまつわる悩みを抱えている方も少なくないでしょう。


こういった「口腔機能低下症(こうくうきのうていかしょう)」は、トレーニングによってある程度、改善することが可能です。今回は高齢の方向けの口腔トレーニングについて、江南市小郷町のグリーンデンタル夫馬がわかりやすく解説をします。


▼お口周りや舌の筋肉をトレーニングする方法


次の方法を実践することで、お口周りや舌の筋肉を効率良くトレーニングできます。


【頬の体操】

頬の体操は、頬の筋肉を強化し、口腔機能をサポートする効果があります。方法は簡単で、頬を大きく膨らませた後、すぼめる動きを繰り返します。これを毎日数回行うことで、頬の筋肉が強化され、食事中の噛む力や飲み込む力が向上します。


【舌の体操(舌圧訓練)】

舌の体操は、舌の筋力を強化するための訓練です。


  1. 舌を左の頬の内側に強く押しつけ、その際に指で外側から押さえます。

  2. 舌で抵抗するように頬の内側へゆっくり10回押しつけます。

  3. これを右側でも同様に行います。


この訓練は、舌の圧力を高め、飲み込みをスムーズにする助けとなります。


【パタカラ体操】

パタカラ体操は、発声を通じて口腔機能を鍛えるエクササイズです。「パ」「タ」「カ」「ラ」といった音を発声することで、唇や舌、顎の動きを強化します。


各発音を8回繰り返し、2セット行います。定期的に続けることで、発音の明瞭さや飲み込みの能力の向上が期待できます。


▼噛む筋肉をトレーニングする方法


咀嚼機能に関連する筋肉は、次の方法でトレーニングできます。


【咀嚼訓練】

咀嚼訓練として、ガムを噛むことが効果的です。1日2回(朝と夜)、2分間はリズムを決めて、3分間は自由に噛むことで計5分間トレーニングします。


唇を閉じてしっかりと噛み、左右均等に噛むことでバランスよく筋肉を鍛えましょう。また、正しい姿勢で行うことも大切です。


◎食事の際の注意点

食事の際は、ひと口ごとに30回以上噛むことを心がけましょう。また、口いっぱいに食べ物を詰め込まず、ひと口ごとに箸を置くことが重要です。食材はやや大きめに切り、硬めに調理することで咀嚼力を向上させます。さらに、食事中にテレビやスマホを見ないように意識することで、噛むことに集中できるようにしましょう。


▼飲み込む筋肉をトレーニングする方法


次の方法を実践すると、飲み込む筋肉が鍛えられて、食事中にむせることが少なくなります。


【開口訓練】

開口訓練は、飲み込む際に必要な口周りの筋肉を鍛えるためのトレーニングです。まず、ゆっくりと大きく口を開け、その状態で10秒間保持します。次に、口をしっかり閉じて10秒間休みます。これを数回繰り返しましょう。


開ける際には無理をせず、痛みが出ない範囲で行うことが重要です。日々続けることで、飲み込む筋肉が強化され、嚥下の改善に効果が期待できます。


【ごっくん体操】

ごっくん体操は、喉の筋肉を鍛え、飲み込みの力を高めるトレーニングです。


  1. 喉ぼとけに手を当ててゴクンと飲み込み、喉ぼとけが上がることを確認します。

  2. 喉ぼとけを上げたまま5秒間保持します。(難しい場合は無理をせず、できる時間で続けましょう)

  3. 最後に息を一気に吐き出し、お腹からしっかりと吐き切ります。


この体操は飲み込み力の強化に有効です。


【おでこ体操】

おでこ体操は、首や喉の筋肉を強化するためのエクササイズです。まず、指先を上に向けて手のひらでおでこを押し、同時におへそをのぞき込みながら5つ数えます。この動きにより、飲み込みに関わる筋肉を鍛え、嚥下機能を向上させます。ただし、首に痛みがある方や高血圧の方は避けましょう。無理せず、自分の体調に合わせて行うことが大切です。


▼滑舌を良くするトレーニング


滑舌が悪くなっている方は、次の方法でトレーニングしましょう。


【早口言葉】

レベル1 :なまむぎ なまごめ なまたまご

レベル2:となりのきゃくはよくかきくうきゃくだ

レベル3:あおまきがみ あかまきがみ きまきがみ

レベル4 :この竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけた


どれも一般的な早口言葉で、場所を選ばずにトレーニングできます。レベルはご自身の滑舌に合わせて、少しずつ上げていくことが大切です。


▼まとめ


今回は、口腔機能低下症を改善するための口腔トレーニングについて、江南市小郷町のグリーンデンタル夫馬が解説しました。高齢になると口腔機能低下症に悩まされる方が多くなるかと思いますので、日頃からしゃべりにくさや噛みにくさ、飲み込みにくさを感じている場合は、今回ご紹介した口腔機能低下症を改善する口腔トレーニングを試してみてください。基本的には特別な器具を必要とせず、好きな時、好きな場所で手軽に行えるトレーニングとなっています。ぜひ実践してみてくださいね。


グリーンデンタル夫馬
歯科医師
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