皆さん、こんにちは。江南市小郷町のグリーンデンタル夫馬です。

マウスピース矯正（インビザライン）は透明で目立ちにくく、多くの患者様に注目されている治療法ですが、保険は適用されず自費診療となります。

そのため「費用が予算と合わない…」と心配される方も少なくありません。実はインビザラインは医療費控除の対象となる場合があり、確定申告をすれば一部の費用が戻る可能性があります。

本記事ではインビザラインにおける医療費控除について詳しく解説します。

■医療費控除とは？インビザラインは対象？

◎医療費控除の基本

医療費控除とは、1年間に支払った医療費の合計が10万円を超える場合、あるいは総所得金額の5％を超える場合に、その超えた金額を所得から差し引くことができる制度です。

これにより、確定申告を行うことで所得税の一部が還付され、結果として実質的な医療費の負担を軽減することができます。対象となる医療費は幅広く、むし歯や歯周病の治療、歯ぐきの外科処置、入れ歯やインプラント治療など、多くの歯科治療も含まれます。

◎治療目的か審美目的かで判断される

インビザラインが医療費控除の対象となるかどうかは、その治療が「機能回復を目的としているか」によって決まります。

例えば、歯並びの乱れにより噛み合わせやお口の機能に問題があり、歯科医師が治療の必要性を認めてインビザラインやワイヤー矯正を行った場合は、医療費控除の対象となります。

一方で「見た目をきれいにしたい」という審美的な理由だけで行う場合は、制度の対象外となります。

◎小児矯正の場合も対象となるケースが多い

お子様の矯正治療についても同様です。成長に合わせて顎の発育や噛み合わせの改善を目的として行う「ORT矯正」や「インビザライン・ファースト」などのマウスピース矯正は、医療上必要な治療と判断されることが多く、医療費控除の対象となるケースが一般的です。

お子様の将来のお口の健康を守るために行う矯正治療は、単なる見た目の改善ではなく、正しい噛み合わせや健全な成長のために大切な治療といえます。

■インビザラインの費用は医療費控除でいくら戻る？

◎費用の目安

インビザラインの費用は、症例や治療の範囲によって異なりますが、一般的に80〜100万円前後が多いといわれています。

◎シミュレーション（年収500万円の家庭を想定）

例として、年収500万円の方がインビザラインに100万円を支払った場合を考えましょう。

• 医療費控除の対象額＝100万円－10万円＝90万円

• 課税所得が約350万円とすると、所得税率は20％（復興特別所得税を含め21％程度）

• 控除額＝90万円 × 20％＝18万円（＋住民税減額約9万円）

合計で約27万円の税金が軽減される計算になります。

◎注意点

マウスピース矯正（インビザライン）の医療費控除で「いくら戻るか」は年収や扶養家族の有無、他の医療費との合算額により変動します。正確な還付額を知りたい場合は、国税庁の医療費控除計算ツールや税理士への相談をおすすめします。

■マウスピース矯正（インビザライン）で医療費控除を利用する方法は？

◎医療費控除の申請に必要な書類

インビザラインの費用で医療費控除を受けるためには、以下の書類を揃えることが大切です。

• 領収書

歯科医院から発行される治療費の領収書。分割払いの場合も、実際に支払った金額が記載されたものを保管しておきます。領収書は税務署から要請があった場合に限り、提出が必要となります。

• 医療費控除の明細書

国税庁のホームページからダウンロードできる公式様式。領収書の内容をまとめて記入します。

• 確定申告書

税務署の窓口で入手するか、e-Taxを利用してオンラインで作成・提出します。

これらの書類は、申告時だけでなく、税務署から問い合わせがあった際に提示できるよう、大切に保管しておく必要があります。

◎手続きの流れ

①医療費の集計

治療を受けた年の医療費を集計します。インビザラインだけでなく、むし歯治療や歯ぐきの治療、インプラント、入れ歯など家族分も合算可能です。

②医療費控除の明細書を作成

領収書をもとに明細書を記入します。支払先、治療内容、金額などを整理し、正確に記載することが重要です。

③確定申告書を作成・提出

明細書の内容を反映させた確定申告書を作成し、税務署へ提出します。e-Taxを利用すれば自宅からでも手続きができ、還付までの期間も比較的短くなります。

④還付金の受け取り

申告内容に問題がなければ、数週間から1〜2ヶ月程度で指定口座に還付金が振り込まれます。

このように、医療費控除の申請は手順を踏めば決して難しくはありません。大切なのは、領収書などの書類を失くさずに管理し、確定申告の時期に合わせて準備を進めることです。

■まとめ

インビザラインは保険が効かない自費診療ですが、治療目的であれば医療費控除の対象となります。実際に確定申告を行うと、年収や費用によっては数十万円単位の税負担が軽減される可能性があります。

必要書類をきちんと揃えれば、お口の健康のためにかかった費用を少しでも抑えられるのが医療費控除のメリットです。マウスピース矯正を検討される方は、治療と併せて賢く制度を活用しましょう。