近年、介護の現場でカラオケレクリエーションを導入する施設が増えています。カラオケというと、若者が趣味や娯楽で行うものというイメージが強く、介護とは何ら関係がないように思えますが、実際はそうではないのです。
カラオケはお口を始めとした体の機能を向上させる上で良い効果が期待できるからです。そこで今回は、カラオケが健康にいい理由やカラオケによる健康効果について、江南市小郷町のグリーンデンタル夫馬がわかりやすく解説をします。
▼カラオケが健康にいい理由
大きな声で歌を歌うカラオケは、まず口腔および全身の運動を伴います。歌詞を歌い上げる際には、お口周りの筋肉をフルに使いますし、音楽に合わせて体を動かすのもカラオケの特徴のひとつです。
こうした運動は、日常生活で行う機会が少ないことから、高齢の方がカラオケをレクリエーションとして行うのは、全身の健康に極めて良い影響をもたらしてくれるでしょう。
◎認知機能の向上にもつながる?
カラオケでは、お口や全身の筋肉だけでなく、脳もしっかりと使います。難しい歌詞を覚える、読む、大きく息を吸って発声するなど、複雑な動作を必要とするからです。
また、昔から好きな歌を歌うと、若い頃の記憶が蘇ったりして、脳がさらに活性化されます。つまり、カラオケは脳の健康にもいい趣味・娯楽といえるのです。
▼口腔機能低下症の予防や改善も期待できる
歯科的な観点からはやはりカラオケによる「口腔機能への影響」について深堀したいものです。そもそもカラオケは、口腔機能をフル活用する娯楽なので、お口のへの影響が大きくなります。
とくに口腔機能低下症を抱えていたり、そのリスクが高まっていたりする方には、カラオケはおすすめできます。
◎口腔機能低下症とは?
口腔機能低下症とは、食べる・飲み込む・しゃべる・呼吸するといったお口周りの機能が低下する病気で、高齢になるほど発症リスクが高まります。今回のテーマであるカラオケは、口腔機能を歌うながら鍛えることによって、正常に食べる・飲み込む・しゃべる・呼吸する機能に良い影響をもたらすことが期待できます。。
◎カラオケが口腔機能に与える影響
しゃべる・呼吸する機能は、口輪筋や舌筋、笑筋といった口腔周囲筋に加え、横隔膜や胸鎖乳突筋、僧帽筋に代表される呼吸筋を複雑に連動させることで実現できます。
若い人はこれを無意識のうちに軽々と行うことができますが、口腔機能低下症の方やその予備軍といえる方には、比較的難易度が高い動作・運動となります。カラオケならこの複雑な運動を楽しみながらトレーニングすることができるのです。
以前にこのコラムでもご紹介しましたが、口腔機能低下症には、医学的なアプローチでのトレーニング法や治療法が確立されていますので、それを実践することが大切です。
しかし、お友達やご家族と楽しみながらカラオケをして、お口の機能を向上できるのであれば、それに越したことはありません。カラオケは誰でも気軽に始められる点も良いですよね。
▼カラオケと心の健康の関係について
カラオケルームは、大きな声を出しても許される空間です。日常生活でたまっているストレスや不安感などを大声による歌唱で解消できるのもカラオケのもうひとつの魅力といえるでしょう。
私たちの心・精神というのは、繊細ではあるものの、意外に単純な面もあります。数時間前まで深刻に考えていたことがカラオケで大声を出すことで、気持ちが前向きになったり、些細な悩みであることに気づいたりするケースも少なくないですよね。
また、カラオケを定期的に行っていくことでお口周りの筋肉が鍛えられ、以前よりも滑舌良くしゃべれるようになったり、心肺機能が向上して活動的になったりするなどの効果も期待できます。
これらは総じてカラオケが心の健康にも良い影響をもたらしているといえるのです。その結果、お友達とコミュニケーションを取る機会が増え、食事などで外出することも多くなり、食べる・飲み込む・しゃべる・呼吸する機能全般が向上するというポジティブなスパイラルも実現できるかもしれません。
そう考えるとカラオケというのは、安価で手軽に行えるレクリエーションとして、有用であることがわかります。もちろん、カラオケは口腔機能低下症を患っている人もしくはその予備軍といえる人だけでなく、若い人やお子さんにもメリットのあるレクリエーションなので、年齢を問わず皆さんが積極的に取り組むことが推奨されます。
▼まとめ
今回は、カラオケによる健康効果について、江南市小郷町のグリーンデンタル夫馬が解説しました。
カラオケを行うことによってお口周りの筋肉が鍛えられ、口腔機能低下症の改善や予防につながることがあります。また、カラオケは精神面にも良い影響がもたらされることから、食事が楽しめないなど、口腔機能低下症によって精神的にネガティブになっている方にもおすすめできるレクリエーションといえます。
カラオケが意外にもお口の機能に関係していることを知っていただき、トレーニングのきっかけとなれば嬉しいです。