重要なお口の機能の発達が遅れる「口腔機能発達不全症」。
以前には口腔機能発達不全症のチェックリストや対策方法などを紹介しましたが、今回はこの病気の診断に必要な検査や治療の流れ、注意点などを江南市小郷町のグリーンデンタル夫馬が解説します。
お子さんの食べる・飲み込む・しゃべる・呼吸する機能に不安な点がある方は参考にしてみてください。
目次
▼口腔機能発達不全症の検査について
口腔機能発達不全症という病気を診断するためには、お子さんのお口の機能を細かくチェックする必要があります。
その際、必須となるのが「これって口腔機能発達不全症?対策とリスク」の記事で紹介したチェックリストへの回答です。
チェック項目がかなり細かく分かれているため、回答には少し時間がかかるかと思いますが、正確に答えることで、お子さんが口腔機能発達不全症を発症しているかどうかの重要な判断材料になります。
それに加えて「口唇閉鎖力検査(こうしんへいさりょくけんさ)」と「舌圧検査(ぜつあつけんさ)」を実施することで、口腔機能発達不全症かどうかを見極めます。
◎口唇閉鎖力検査
口唇閉鎖力検査とは、文字通り唇を閉じる力を調べる検査です。一般的には「リットレメーターMedical」という歯科用口唇筋力固定装置を使って検査を行います。
日常生活で安静にしている時に唇が閉じていなかったり、口呼吸が認められたりする場合に口唇閉鎖力が低くなります。
◎舌圧検査
舌は筋肉の塊のような器官で、さまざまな口腔機能に関与しています。その舌の力を調べるのが舌圧検査です。
「舌圧測定器」というデジタル機器を使って、舌の運動機能を数値化することができます。舌圧検査によって得られた測定値は、食べる・飲み込む・しゃべる機能を評価する上で有用です。
▼口腔機能発達不全症の治療の流れ
上述したチェックリストや検査の結果によって口腔機能発達不全症と診断された場合は、具体的な治療が必要となります。
ケースによっては、歯科だけでは対応できないことがあり、医科との連携が必須となる場合もある点に注意が必要です。ここでは口腔機能発達不全症の歯科医院での治療の流れを簡単に紹介します。
【STEP1】治療計画の立案・説明
検査・診断の結果をもとに、お子様それぞれに適切な治療計画を立案します。その内容をお子様と保護者の方にわかりやすくご説明します。
一般的な歯科治療とは異なる点があるため、わからないことや不安に感じることがあったら遠慮なく質問しましょう。口腔機能発達不全症の治療計画に同意してもらえたら、いよいよ治療のスタートです。
【STEP2】治療の開始
口腔機能発達不全症の治療では、主に訓練と指導が行われます。初回の診療では、写真撮影を行って記録を残します。
口腔周囲筋を鍛えるトレーニング
口腔機能発達不全症のトレーニングとしては、以下の方法が挙げられます。
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ガムトレーニング
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吹き戻しを使ったトレーニング
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舌トレーニング
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風船遊び
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1分間鼻呼吸
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ガーグルストップ(鼻呼吸の状態でガラガラうがい)
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タッチスティックを使ったトレーニング(舌と顎の位置を改善する)
【STEP3】治療結果の確認・評価
口腔機能発達不全症の治療を一定期間実施したら、その効果を確認します。
口腔機能発達の正常化が見られた場合は、治癒と評価して治療は終了です。口腔機能発達の改善が十分ではない場合は、改めて管理計画を立て直して治療を再開します。
訓練・指導による効果が得られないと判断された場合は、治療を中止することもあります。
▼口腔機能発達不全症治療の注意点
口腔機能発達不全症の治療では、以下に挙げる点に注意しなければなりません。
【注意点1】医科での治療が必要になることがある
口腔機能発達不全症の原因は、歯科医院で改善できないものもあります。そうしたケースでは、医科での治療を並行して進めることになります。
【注意点2】歯並びをきれいにすることがゴールではない
口腔機能発達不全症の治療は、正しく食べる・飲み込む・しゃべる・呼吸する方法を身に付けることなので、歯並びがきれいになることがゴールではありません。
【注意点3】口腔機能発達不全が完全に治るとは限らない
口腔機能の発達不全は、治療によって完璧に治らないこともある点に注意しましょう。適切な方法でトレーニングに取り組むことで、口腔機能の改善・向上が見込める場合が多いといえます。
▼まとめ
今回は、口腔機能発達不全症の検査から治療の流れ、注意点について、江南市小郷町のグリーンデンタル夫馬が解説しました。
口腔機能発達不全症では、口唇閉鎖力検査や舌圧検査など、少し特殊な検査を行いますが、お子さんの心身にかかる負担はほとんどありませんのでご安心ください。
その他、口腔機能発達不全症の検査や治療について疑問や不安に感じる点がある方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。